無念!航空救難隊
前に紹介したが、空自航空救難隊は、日本の航空救難の走りである。その模範ともされる航空自衛隊の救難隊機が墜落したようである。MU-2とのことなので、直接の救難作業は行わない救難捜索機であるが、過酷な遭難・海難事故などや航空機事故・大規模災害が発生すれば、逸早く現場に駆けつけて捜索を行う飛行機である。今回の事故で、既に2名の隊員の死亡が確認されているようである。貴重な人材を失ってしまうことは非常に残念と言わざるをえない。また、何が原因なのだろうか好天の中での不思議な訓練事故である。
航空自衛隊の航空救難隊は過酷な救難作業やその使命から、他の部隊より更に飛行の安全には注意が払われている筈で、このよう部隊の航空機が墜落することは、腑に落ちない感じがする。もし、現在行われている自衛隊への予算の削減などが影響しているとするなら、大きな問題と言わざるを得ない。
MU-2は導入から少なくとも20年が経過している筈で、空自では古い機体の部類に入ると思う。しかし、安全性は高く、今日の点検整備でも異常無しとされている。直接の関係はないが、この頃良く聞く、日航の度重なる事故やミスなども、その原因はコスト優先が招いているとされ、航空機の事故はコストの削減で、逆に安全が失われる結果が出ている。
航空自衛隊の航空救難隊は、その活躍に比べて割り当てられる予算は限られているはずで、財務省の行った自衛隊削減の影響を受けている可能性が高いとも思われる。もし、それが原因だとするなれば、財務省や政府の責任は重いのではないだろうか。削減するべき多くの一般国家公務員の人員の問題は放置して、重大な使命を担う国家の防衛部門に予算を配分出来ないとするなら、人材の損失に対する責任は勿論のこと、許されざる大きな問題だと思う。
●Yahoo!ニュース - 共同通信 - 4人乗り空自機が墜落 新潟県の山中、捜索訓練中
14日午後1時50分ごろ、新潟空港の南約55キロ付近で、飛行中の航空自衛隊MU-2型救難捜索機(4人搭乗)がレーダーから消えた。午後3時15分ごろ、新潟県阿賀町の御神楽岳付近の山中に同機が墜落しているのが見つかり、搭乗員2人を発見した。 空自の新潟、小松両救難隊が残る2人を捜索している。 防衛庁によると、搭乗員はパイロットの河津稔一尉、藤田裕史一尉、救難員の高山和士一曹、機上無線員の山田厚毅二曹。 同機は捜索訓練のため、午後1時すぎ、新潟空港を離陸。レーダーから機影が消えたため、無線で呼び掛けたが、応答がなかった。(共同通信) - 4月14日17時7分更新>
追記:
●@nifty:NEWS@nifty:空自救難機が新潟山中で墜落、搭乗の4人死亡(読売新聞)
●Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <空自捜索機>新潟・御神楽岳に墜落 搭乗の4人全員死亡
●中国新聞 スポットニュース 救難機墜落、4人死亡 晴天の新潟県で
<殉職航空自衛官>
・操縦士機長:一等空尉
河津稔(32)大分県出身
・副操縦士:一等空尉
藤田裕史(32)愛知県出身
・救難員:一等空曹
高山和士(37)秋田県出身
・機上無線員:二等空曹
山田厚毅(43)栃木県出身
無念の最後を遂げられた航空自衛隊の隊員の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。
追記:2
●asahi.com : マイタウン新潟 - 朝日新聞地域情報
泉田裕彦知事は同日、「航空自衛隊新潟救難隊は、7・13水害や中越地震などで様々な支援をしてもらった。隊員の家族のことを思うと、大変心が痛む」との談話を発表した。
薄情な日本のマスコミは、あまり自衛隊の事故などのことを書かないいが、さすがに地元の新聞社は、今回の事故について触れているようである。また、新潟県知事のコメントなどからも彼らの少なからぬ活躍が分かると思う。そうでありながら、何故に日本のマスコミの殆どは、この事故の後を追う取材せず、自衛隊だけを蔑ろにするのだろうか。彼らにも家族があり、大きな悲しみがあることを知ってもらいたいものである。また、この事故の後に控える大きな問題にも着目してもらいたいものである。
●元自衛官の憂い | 【緊急】新潟救難隊MU-2墜落事故に思う.
パイロットはほとんどが、自分の家族に「何が起きても覚悟を決めておくように」と常々言っている。そのせいなのか、私が見聞した部隊葬で、遺された奥様が泣き崩れるという光景はなかった。決まって奥様は気丈に振舞われる。そのせいなのか、遺されたご家族が墜落の責任を痛感され、溝ができてしまうのである。
元自衛隊官Jさんの記事からの引用であるが、自衛隊パイロットがどようような覚悟で任務につき、如何に過酷であるかが分かると思う。墜落事故で自衛隊パイロット自らは死亡しても、その家族が被害を与えた方々に土下座までして謝る現実を、日本の一般市民は、「それが仕事だろう」の一言で片付けられるのだろうか。
自機の搭乗員に危険に晒さなければならず、その上、救難員に降下を命じなければならない。 救難員は迷わず、暗夜の荒波猛り狂う洋上、寒風吹きすさぶ山岳地帯へと降下していくのである。 機上無線員も救難作業に携わらなければならなくなる。 救難隊に所属する隊員が、過酷な状況下での任務遂行がほとんどであることを私は、皆さんに知っていただきたい
また、上記の引用記事からもパイロット以外の搭乗員の救難に関わる人々の実際の様子が想像して頂けると思う。他の行政組織の救助隊の話しは、マスコミなどで流されるので知られている部分も多いと思うが、空自航空救難隊は、更に過酷な条件下で任務を遂行していることがうかがえると思う。
追記:05/07/10
また、人的ミスである。本当に人的ミスなのだろうか。製造された機数に比較して、この機種は墜落が多すぎるのではないだろうか。分からないのであれば、新しい機体を選定するべきではないだろうか。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 新潟救難隊捜索機墜落、人為ミス強まる 空自事故調、機体に不具合なし.
四月十四日に新潟県阿賀町の山中に航空自衛隊新潟救難隊所属のMU2救難捜索機が墜落、乗員四人が死亡した事故の原因を調査している航空自衛隊航空事故調査委員会は九日、事故は機体の不具合によるものではなく、飛行中の何らかのミスによる可能性が高いとの見方を強め、近く発表する事故調査報告書に盛り込む方向で最終的な詰めの作業に入った。・・・(産経新聞) - 7月10日2時51分更新
追記:05/10/07
何年も訓練された貴重な航空自衛官達の生命を失った事故にしては、これも小さな記事である。フライトレコーダーすら積まず、何度も同機種で事故が発生しながら、今回も搭乗員達の操縦ミスで片付けられたようである。事故の再発を本当に望むのなら、フライトレコーダーを搭載するぐらいの改善があっても良いのではないだろうか。貴重な多くの人命を失いながら、何の改善点も見られないのでは、亡くなった航空自衛官達は犬死に終わったとしか言えず、これでは無念極まりなく、彼らも浮かばれないのではないだろうか。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 新潟の空自機墜落、急回転で失速が原因と発表.
航空自衛隊新潟救難隊所属のMU―2救難捜索機が今年4月、新潟県阿賀町の山腹に墜落、乗員4人が死亡した事故で、航空幕僚監部は7日、「旋回角度が過大となり失速したことが原因」とする事故調査結果を発表した。・・・(読売新聞) - 10月7日22時37分更新
!宜しければ
<参考リンク>
●航空自衛隊 航空救難団(実働活躍の映像あり)
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コメント
TBありがとうございます。
記事まで引用頂き、有難い限りです。
今回の事故は救難隊と言う事で、特に心を痛めております。
airman氏のBLOGに取り上げて頂き、少しでも多くの方々に、少しでもその実情を理解して頂ければと思います。
今後ともヨロシクお願い致します。
投稿: 「元自衛官の憂い」副管理人 | 2005.04.18 21:03
こんばんは ご無沙汰しております
>今回の事故は救難隊と言う事で、特に心を痛めております。
本当に無念の限りだと思います。一般マスコミは事故は伝えますが、その後フォローが何故か自衛隊が関わる部分になると伝えないことが多いですから、一般の人々にも現実を知って欲しいものですね。
こちらこそ宜しくお願い致します。
投稿: back | 2005.04.18 22:33